少子高齢化が進み、2035年には3人に1人が高齢者になると見込まれています。したがって、当然ながら要介護者の人数も増えていきます。そこで、深刻な人材不足が叫ばれている中、今後の介護業界において、ICTの活用は欠かせなくなりつつあります。

介護業界では、保険請求や行政などへの書類提出をする機会が多く、書類作成にたくさんの時間と労力が割かれているのが現状です。しかし、介護記録がICT化されると、事務作業を効率化することができ、情報共有もスムーズに行えるようになるでしょう。タブレットがあれば、簡単に情報を閲覧できるようになるため、介護士は事務所で介護記録をはじめとした資料準備に時間を割く必要がなくなります。また、見守り支援ロボットなどの、IoT機器の導入も同時に行えば、利用者の離床や在室などを察知し、通知などを行うことで介護スタッフの負担は格段に少なくなるでしょう。

しかし、介護業界におけるICT化は、今まで「スタッフが使いこなせない」といった問題や、ICT導入に対する反発、導入に関するコスト面などが問題視されてきました。しかし、業務効率化や生産性を上げていくためには、ICT化は避けては通れないでしょう。そのため、政府も後押しをするようになってきています。

ICTを活用した介護を行った場合や、ICTでデータの分析を行った場合などに介護報酬に加算がされたり、ICT導入の際に利用できる補助金制度が定められたりしているので、今後は介護業界のICT化がますます加速していくでしょう。